大塚家具の父親とその娘の経営方針の違いから対立が激しくなり、今では別々に店舗を構えては営業している。
父親は高級志向の人向けの家具を揃えた店舗を、娘は比較的リーズナブルな家具を揃える店を考えたが、赤字が38億円にも膨れ上がってしまった。
大塚家具と言えば1969年に創業し、世界中の商品を取り寄せては総合インテリア企業として人気を集め、経営状態も順調であった。ところが、バブルがはじけてからは経営も下降気味となり、世間からも大塚家具も忘れられた存在となってしまった。
ニッセンや楽天のサイトなどでも低価格の家具を取り扱うところが増えたことで、高級家具は売れない時代になった。長年の不景気も相まって、全盛期のように家具が売れない。
親子喧嘩では娘に軍配が上がったが、更に、営業赤字が増し、人材流出まで止まらない。でも、一時は50%オフやCMなどで消費者の目を向けさせ、営業状態も良くなった。
久美子社長の経営改革は会員制も辞め、ニトリで扱う家具の少し上ほどの中価格帯の家具を揃えるようにしたが、これではよっぽどデザイン性や機能性が良くなければ、ニトリやイケアと変わりが無いから、そちらに客が流れてしまう。
大塚で取り扱う商品を見ても、どれも個性的なデザインばかりで、機能性を考えるとどうかな?と思う物が多い。地味だし、シンプル過ぎて面白みがない商品も目立つ。良いなと思えばいきなり何十万円と値段が跳ね上がったりと、中価格帯を好む客の心も離れてしまいそうだ。
過去最悪の営業赤字を出してしまった責任は大きい。でも、この苦境に立った時がチャンスの時でもある。もっと視野を広げて、女性らしさのある商品を取り扱うとか、日本らしさのあるデザインの家具を揃えることを考えてみるといいのではないだろうか。