深夜にも関わらず、8%と高視聴率の『家政婦のミタゾノ』で家政婦紹介所の所長役を演じる余貴美子は、数々のドラマに出演するベテラン女優だ。とても若く見えるが60代。神奈川県横浜市出身だ。
20歳で劇団自由劇場に入団し、演技に磨きをかけた。元々、映画鑑賞が好きで、演技をしてみたいと思っていたようだ。驚くことに、中国語が得意なのは、父親が中国人だから。
子供の頃は、家では中国語で会話をしていたという。彼女の国籍も中国にあり、食事はほとんど中華であった。驚くのはこればかりではなく、20人もの人が一緒に住んでいた。
確かに、中国人は家に祖父母や叔父などたくさんの人が寄り集まって生活をしている所が多いが、こんなにも多くてはさぞ窮屈であっただろう。
母親だけが日本人で、日舞の師匠をしていた。その影響だろうか、民謡や日舞が得意だし、和太鼓や三味線を弾ける。民謡にいたっては名取となっており、三味線を弾きながら民謡を流暢に歌える。
好きな食べ物は、からすみのスパゲッティや焼肉。無類の酒好きで、日本酒には目がない。撮影の合間をぬって、小さな情緒溢れるスナックに1人で行っては、酒を楽しむのだ。
余の夫は山下恒彦と言い、多摩美術大学の美術学部演劇舞踊デザイン学科で教授をしているインテリだ。『坂の上の雲』では美術を担当し、『MPTE AWARDS美術賞』を獲得している。山下は大正ロマンなどを彷彿とさせる内装を得意としている。
范文雀とは従姉関係で、祖父は官坪村出身の客家であった。祖父は親日家で、日本で仕事がしたいと、横浜で飲食店を出した。
地元ではマリアと呼ばれているほど美しい女性であった。確かに、今でも妖艶な美しさを放つところは、かなりの美人であっただろう。
そんな余のお気に入りの横浜中華街にあるお店が『萬来亭』だ。このお店の”上海やきそば”と”鶏肉の老酒漬け”が特にお気に入り。
中華を食べているから、60代になっても肌が綺麗なのかもしれない。