大人も楽しめるティム・バートンの映画は、全世界の人々を魅了する。ブラックユーモア溢れる世界が満載で、彼の持つ独特な世界観が個性と斬新さを求める人に受けている。
『アリス・イン・ワンダーランド』は本来なら可愛らしく、メルヘンな世界に描かれているが、これをティムが手直しすれば、それはそれは奇抜でおかしな世界に塗り替えてしまうのだ。
大人気の『シザーハンズ』だって、ヒロインは、どこか不健康な顔で手は大きなハサミだし、『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』は登場する人物が骸骨やゾンビだらけ。
どこか暗く、おどろおどろしさのある世界観を描くところが人々の好奇心をくすぐり、流れる音楽も奇妙なメロディーでドキドキする気分になるのが面白い。
ティム・バートンが気になる人は『チャーリーとチョコレート工場』や『スウィニー・トッドフリーと街の悪魔の理髪師』『バットマン』を観て。
そんなティムの最新作が『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』だ。2017年2月3日から日本でも公開される。
この作品は、アメリカで300万部以上も売れている本を映画化したもので、ティムの手によりユニークで奇妙な作品となった。
美少女エマや若き英国男子との愛ある世界は素敵に描くが、これだけでは終わらないのがティムの良いところ。必ず悪役が登場して、ハチャメチャな世界を繰り広げ、観る人をハラハラさせる。
ティムは子供時代にホラー映画や怪獣映画ばかり観て育った。彼の作品には古典的なホラー映画の面白さと純愛さを取り入れている。世間からは奇妙すぎて「最低な監督」と見られていたが、『エド・ウッド』により、そんなレッテルを見事覆すことになる。
映画オタクの粋を超えて、世界で愛される監督と変貌したティム・バートンの世界が熱い。