世界に進出しているイケアは、斬新さと個性的なデザインが売りの家具やインテリア雑貨を販売するショップだ。オンラインで気軽にテーブルやソファなどが24時間フルタイムで買えるし、宅配で自分の都合のいい時間に自宅に届くのだから便利。
でも、そんな便利で楽しいイケアで、トラブルが起きている。販売したチェストで小さな子供が死んでいるのだ。
2歳の子供より1.5倍もの高さがあるチェストの引き出しを引っ張り、その状態で服を探しているだけで前に倒れてくるという。
その前にいた小さな子供は挟まれ、圧死している。それも、北米では6人もの子供が死亡。
相次いで事故が起きたことで、その中の3人の家庭に対し、ノースアメリカ・イケアに58億8,400万円もの賠償金を支払うように裁判所が判決を下した。
このチェスト『MALM』というシリーズのもので、大人の肩あたりまでの高さが特徴的。シンプルなデザインで、引き出しがたくさんある。
実験では、前に倒れたら、ほとんどの引き出しが前面に飛び出した。これが、事故をより悲惨なものにしてしまったようだ。
イケアはすでに販売した3,600万台を自主回収しており、更に、シリーズの販売を休止している。
子供達は即死しているわけではなく、病院に運ばれた時点では息があったようだ。ということは、苦しんで亡くなっているわけだから、その点も考慮して、1人あたりに19億円もの賠償金を支払うこととなったのだろう。
日本では、これだけの賠償金にはならないかもしれないが、場所がアメリカなだけに、かなり高い賠償金となったようだ。
それにしても、国内で販売している家具メーカーのチェストでは、大人の頭の上よりもはるかに高いタンスであっても倒れそうになるなんてことはあまりない。
それは、土台がしっかりしており、ある程度の重さがあるから。そういったことも考えて、日本の老舗の家具メーカーは設計しているのだ。
不安定な安い家具を何台も揃えるよりも、安全面を考えると、国内産の『匠工芸』や『Tendo』『サンコー』『KOBAKO』など素材の特徴から安全性を考えた良質な家具を買った方がいいのだろう。
そして、家具は金具で壁に固定すること。