8月末、カラオケチェーン大手のシダックスが44店を閉店すると発表し、業界に激震が走った。カラオケと言えばシダックスと言うほど、若者の間でも人気のカラオケ店であった。店内はおしゃれで料理も美味しいと評判だった。それにも関わらず、44店舗も閉店することになる。
シダックスは2004年に出店しているが、12年前と言えばカラオケブームも終わり、低迷している時期だった。そんな時に広いレストランやイベントホールまであると誇らしげに店の宣伝をしていた。
シダックスは社員食堂の請負業務が主な会社であったが、儲かると思い、カラオケ業界に参入した。2007年前後には売上高が600億円もあったというのだから、そこで終わりにしておけばよかった。
ところが、シダックスはあまり人通りの少ない郊外に出店し、ブーム後には低価格でサービスを提供している。客も来ないのにアルバイトをたくさん雇ったのも、この大量閉店の原因になってしまった。
渋谷のど真ん中にあり、本社機能まである『渋谷シダックスビレッジクラブ』も閉店するというのだから驚く。しかし、本社機能はそのままで、カラオケルームなどがあるフロアは賃貸として貸し出すという。1番若者が多く集まる渋谷なのに経営が苦しいのであれば、他の地域の店舗はもっと苦しいだろう。
それでもまだ200店ほどの店舗が残っている。また、会社側は「カラオケ事業からの撤退はない」というのだからなんとも強気だ。
CDを買わなくなった若者が増える中、音楽から離れる人も増えている。また、遊ぶならカラオケでという考えも減った。今後はシダックスだけではなく、他のカラオケ店も厳しい現状にぶつかる時代がくるかもしれない。