可愛い我が子の将来を考えれば、誰でも有名大学に行かせたいと思うものだろう。そんな親心を掴んでは、大金を振り込ませた神奈川県横浜市で自営業を営む中野真紀容疑者が逮捕された。
中野は東京都世田谷区に住む会社員の女性に2009年11月頃に接近し、”都内の有名大学付属の私立小学校に入学させてやる”と440万円もの大金を自分の管理する預金口座へと振り込ませた。
この被害女性は、子供がこの私立小学校の面接で落ち、落胆していた。そこに「面接の枠が残っているから」とあたかも入学できるような話をして近づく。更に、入学してから金銭的に余裕があることを示すためにも、先にお金が必要と数回に分けて現金を振り込ませたわけだ。
なんと、この加害者は知人に教師の役をやらせ、電話をさせて被害者女性を安心させる演出も行っている。まあ、世田谷に住むマダムなら、440万円程度のお金なら、さほど負担にはならないと思ったのだろう。
しかし、この440万円という裏口入学にかけた金額が「安すぎる!」と有名幼児塾の社員は驚くというのだからショックだ。
超難関有名私立なら、安くても1000万円から2000万円のお金が必要にはなるという。中には数十億円ものお金を払った親もいる。
お受験をするには、先に受験する子供の親が学校の有力者の元へと挨拶に行き、そこで1口数十万円の寄付金を何口できるかと念書に書き、その寄付金の額によって優先的にお受験ができるかが決まってくる。
今回の事件は、この裏口入学をさせたいという被害者が悪いと思いきや、その世界では当たり前なことを世間知らずなこの被害者が表ざたにしてしまった。
裏口入学をさせたいと思う親や学校側からしてみれば、「ヘマしやがって」と思われてしまったことだろう。
それに、やはり面接で落ちた子供をお金で学校へ入れようと考えたこの母親も悪い。
誰も同情してくれない結果となり、なんとも泣くに泣けない事件となってしまった。