人が集まる公園の近くでモクモクと黒煙が上がった爆発事件は、元自衛官の男が起こした事件だった。人の為に任務を果たすべき立場の人間が、人々を恐怖に落とし入れ、重傷まで負わせてしまった。
男が火を放った車は尋常ではない焼け方をしていることから、灯油だけではなく、花火の火薬を使い、より爆発力と火の勢いを高めた。
この男がイラッとするのは、車の中で自殺したのではなく、数十メートル離れた場所で爆発物を使って自殺を図っている。
この自殺した栗原容疑者の自宅もかなり激しく焼けており、目撃者によれば、爆発音と共に屋根が勢いよく吹き飛んだという。家の中にも大量の火薬を置き、火を放ったようだ。
容疑者には家族がいるが、5年前から離婚調停中で、別居している。別居する前は毎日のように喧嘩をしており、不仲であった。
55歳で自衛隊を退職し、近頃は金銭的にも切羽詰っていたらしい。
動画などには自衛隊で活躍していたことを誇らしげに話してはいたが、苦しい生活や家族のいない絶望な気持ちも話している。
容疑者を知れば気の毒にも思えるが、どうもこの男は、あえて人が集まる城址公園の近くで爆発を激しくするため火薬を用い、殺傷能力を高める釘やビー玉を使っているあたりが計画性を感じる。
焼けた車の真後ろには建物があるし、隣にも車が停まっている。火が隣の車に引火すればより火柱は大きくなる。とすると、後ろの家も焼いてやろうと思ったのだろう。
どこか我侭さと傲慢さが見えるこの男だから、妻も嫌になって離婚したいと思ったのではないか。
数年前にも金銭的に悩む高齢の男性が新幹線の中で焼身自殺を図ったが、人を巻き込んで自殺を考えるところが憎らしい。
この年頃の男性は1人で死ぬのが寂しいと感じるのか。
2度とあっては欲しくない事件だ。